そのExcel、AIに分析に投げた時点で外に出ている

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便利だから、使っただけ

顧客情報をまとめたExcelをAIに投げる。
すると、売上傾向や属性の偏り、改善のヒントまで一瞬で返ってくる。

時間もかからないし、精度も高い。
「これは使わない理由がない」
そう感じるのは自然だ。

社内で作ったデータだし、
業務の延長で使っているだけ。
悪いことをしている感覚は、ほとんどない。


悪気は、まったくない

仕事を効率化したいだけ。
数字を正しく読み取りたいだけ。
セキュリティを軽んじているつもりもない。

むしろ、
「ちゃんと分析している」
「属人的な判断を減らしている」

そう思っている人の方が多いだろう。

この感覚は、ごく普通だ。


そのExcelには、何が入っているか

そのExcelには、何が含まれているだろうか。

顧客名。
メールアドレス。
電話番号。
場合によっては、取引履歴や問い合わせ内容。

分析が目的でも、
Excelの中身は「数字だけ」ではないことが多い。
個人情報や、外に出してはいけない情報が、
作業の途中で混ざってしまっているケースは珍しくない。

それをAIに投げるという行為は、
意図せず、それらを一緒に外へ渡している可能性がある。


専門家から見た一言

セキスペから見れば、それはもう事故だ。


構造は、昔から同じ

これはAIだから起きた問題ではない。

構造としては、
メールにExcelを添付して誤送信したのと同じ。
USBを持ち出して、どこかに置き忘れたのと同じだ。

画面の中で完結して見えるだけで、
AIに入れた時点で、情報は管理の外に出る。

分析しているつもりでも、
実際にやっているのは「送信」に近い。


判断の線は、ここにある

管理の外に出た時点で、事故になりうる。

AIかどうかは関係ない。
個人利用か業務利用かも関係ない。
便利かどうかも、免罪符にはならない。

越えたか、越えていないか。
その判断によって、
求められる慎重さが一段変わる。


なぜ判断は、ずれるのか

理由は、技術ではない。

画面の中で完結して見える。
誰かに渡している感覚がない。
すぐ結果が返ってくる。
前に問題にならなかった経験がある。

こうして、
「外に出している」という感覚が消える構造ができあがる。

判断が甘いのではない。
判断そのものが、働きにくくなっている。


前提を、置き直す

AIを使うな、という話ではない。
分析するな、という話でもない。

問うべきは前提だ。

そのExcelは、
管理の外に出していい状態なのか。
そのまま渡していい情報なのか。
一段、業務を挟む必要はないのか。

これをルールで縛ると形骸化する。
最初からの前提として置く。

それだけで、判断は変わる。

なお、企業契約のAIであっても、使い方の判断は必要である。

外に出すなら、判断がいる。

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この記事を書いた人

現場と管理の間で、業務改善や小さなDXに関わってきた。
正解や完成形より、そのときの判断を記録している。

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